社会人は大変だなと思った話

こういうのって時間が経つと「なんかよくわかんないけど怒られたし自分のせいだった気がする……」で昇華した、ように見せかけてずっと残ってしまうので、記憶が新しいうちにとりあえず殴り書きしておく。将来の自分が見たらどう思うかな。

 

 

上司。

 

上司というか正確には協力会社の人で、うちに何人かいる協力会社の人達を纏める人。以下Aさん。29歳。
初日から気さくに話しかけてくれたし、わりと冗談とかも通じる面白い人。纏める立場なだけあって知識もあったので、かなり頼りにしていた。
あと私の直属の上司(以下Bさん。23歳)と仲が良いのもあって、3人でお昼行ったり飲みに行ったり。


事の発端はつい先日。突然Aさんが異動する事に。うちの関連会社とかではなく、完全に別の会社へ行く事になった。
日頃からお世話になっていたし、何より頼りにしていたのでとても寂しくて、最終日にお菓子と、小さな手紙を渡した(マフィンとスコーン焼いてたのはこれ)。


暫くしてお菓子のお礼LINEが来た。早めに召し上がってくださいね、また機会があれば遊んでください、と返すと、「日曜日ひま?飲みに行こう!」と言われる。
珍しく何も予定のない日曜日だったし、Bさんも来るとのことだったので行きますと返事。
「14〜15時くらいに○○にいるよ」という曖昧な指示に違和感を覚えつつも、15時手前くらい目指して行くことにした。


当日、指定された駅に到着するもAさんはおらず。というかBさんとは連絡取ってないけどいつ来るんだろう、と思いつつ「着きました」とAさんに連絡。
すると、「ここにいるから来て」と居酒屋を指定される。
ここで私は、二人が私より早い時間から落ち合っていることに気づく。どうして自分は14〜15時を指定されたんだろう、と思いながらも向かう。


着いてみると、案の定二人ともいた。聞けば二人は14時で待ち合わせしていたらしい。話し振りからして、意図的にずらしたと伺えた。しかしその理由は知る由もないし、二人は私より仕事が出来る人なので、まあ二人で深い話でもしていたのだろう、と思った。


初めの数時間は普通に飲んで、ゲームで遊び、くだらない話をして過ごした。
9月から異動になってしまうAさんと話すことはもうあまりないだろうな、と思ったし、送別会という意味でも楽しんでいた。


するとAさんは、Bさんに仕事の話をし始める。部下の指導に関する話だったので私も無関係ではないし、なんとなく聞いていた。
Bさんがお手洗いに席を立った。
その瞬間、Aさんは「B君まだゆりあさんにこの話してないでしょ?俺が代わりにしとくわ」と、真面目な話をする体勢に移った。


初めは、ごく普通の話だった。
自分は持ち場を離れるから、君はもう俺には頼れない、だから成長しなきゃいけない。これが答えられるようにならなきゃいけない。そういう話。


それはAさんの言う通りで、まだ2ヶ月とはいえ他の人に頼る部分が多いことを自覚している以上は、そうですね、としか言えなかった。


私の仕事は、外回りしている人達の管理。外回りの報告書をまとめたり、日程の調整をしたり、必要なものを発注して各所へ届けたり。


そして、外回りの人は出先でわからないことがあった時に電話をかけてくるので、その質問に答えなければいけなかった。
私は他の仕事はそこそこ出来るが、質問に答えるというこの仕事だけはどうしても苦手だった。というのも、仕様書があるにはあるのだけど、まだ覚えきっていないし、見ながら答えるにしても「相手が求めている回答」と「私が今見ているページ」が一致しているかどうかがわからず不安なため、「間違ったことを教えないように」上の人へ確認を取る事が多い。というか毎回聞いてる。


Aさんからしたら、これが駄目らしい。間違っててもいいから自力で答えろ、と。
私は、新人のうちは、わからないことは都度確認するのが自分の身を守ることに繋がる、と別の人に教わったが、Aさんとしてはどうもそれでは駄目らしい。間違っててもいいから答えて、間違ってたら謝れば良いと。私は、それがどうしても納得いかなかった。未然に防げるはずのミスをおかして、他人に迷惑をかけてまでそうしないと駄目?


そしてそこから、「なんでそんなに自信がないんだ」という話に発展する。そんなこと私が聞きたい。
Aさん「ミスしても謝ればいいでしょ」
私「私は逆の立場だったら、わかる人に確認して答えてくれって思います。何より外回りの方々からしたら、私は外回りもしたことないただの女の子なわけですし」
Aさん「じゃあ外回りすれば?それもやらないでなんでそんなこと言ってんの?覚えたいんで外回りさせてくださいって言えばいいじゃん」


※訪問先は個人宅のため、女性一人での外回りは基本的にNGとなっている。前任の女性も外回りの経験はない。


やや理不尽に思いながらも、そう言われたら、なるほど私が悪いのか、私の努力が足りないのか、と反省していた。


Aさん「まあB君が8割悪いけどね」
突然手のひらを返す。
Aさん「プロセス教えないで答えだけ教えちゃうから。ゆりあさんが来る前、俺B君にその話してたんだけど」
Bさん「まあ俺が悪いなそれは」


教わっている身からすれば、Bさんが悪いとは思えない。というか、別に教え方が悪いと思ったことは一度もない。
過去後輩を教育してきた身としては、「教えるより自分がやった方が早い」と思ってやってしまう瞬間があるのはわかる。わかるからこそ私は、それで片付けられそうになった時に「え、自分でやらないでください、ちゃんと教えてくださいよ」とお願いしていた。それを言うことは特に苦ではなかったし、彼も「え〜」と言いながらきちんと教えてくれていた。


私「Bさんが悪いとはあまり思いませんけど……それは私の理解力の問題もありますし」
Aさん「ほらこういうこと言える辺り本当真面目だよねw B君にちゃんと教えろって言っておきな」
私「教わってます……」


そして話は戻る。どうしてそんなに後ろ向きなのかと。
私はそこで「自己評価が低い」という話をした。するとすぐさま、「俺も自分のこと嫌いだよ!俺なんてね〜」と不幸自慢が始まる。
私は、こういった場面で不幸自慢をする人間は、自分と同じ考えを持っていないということを、知っている。
何度か会話を試みたが、全くもって成立しなかった。何を言っても、「それで?w」「だから?w」と笑って返された。


私は言葉が出ず、泣きじゃくる。
その私に、Aさんは畳み掛ける。


Aさん「ねえ、今日楽しい会だと思って来たでしょ?説教されてびっくりした?」
Aさん「今日は初めからB君と早めに待ち合わせてB君を説教して〜後から来たゆりあさんにも話すつもりだったんだよね!予定通り!」
Aさん「まあ前々から思ってたことではあるけどさ、何よりゆりあさんとB君に説教すると俺がマウント取れるから楽しいんだよねw」


元々病みやすいのもあるが、このやり取りをする中でどんどん進行し、入社して初めて「死にたい」という感情が蘇ってきた。
立て続けに責められ、半ばパニックになりながら死にたい死にたいと言っていたら、とどめを刺された。


「じゃあなんで仕事してんの?生きるためでしょ?死にたいなら仕事辞めればいいじゃん、浅はかなんだよ。死にたいとかいいながら別に何もしてないのは甘えでしょ」


すでに泣いていた私は限界に達して、「私とAさんは違う人間なんです、だから同じ物差しで測らないでください」と言い、突っ伏し、そこから動けなくなってしまった。


Aさん「えー、俺がいじめたみたいじゃん。俺がいじめたのかw」
Bさん「……Aさん帰って」
Aさん「でもさ、良かったねB君!ゆりあさん、ここまで悔しがれる真面目な子なら安泰だね!やっぱ今後やっていくには〜」
Bさん「あーもうその話いいから!」


その後、しばらく私とは別の仕事の話をする二人。その間も私はずっと嗚咽が止まらなくて、別の話とはいえ仕事の話が飛び交うだけでしんどかった。
過呼吸になりながら突っ伏してる間、「死にたいと言いながら死なないのは甘え」がどうしても頭から離れない。じゃあなんだ、死ぬための努力を尽くすのが美なのか、目の前で死んで見せればいいのか、そんな馬鹿みたいな考えがずっとぐるぐるしていた。


Bさん「Aさん奥さん待ってるから早く帰んなよ」
Aさん「えーじゃあ帰るかー、帰りにゆりあさんにごめんねってLINEしよ」
Bさん「その頃にはブロックされてるよ」
Aさん「まじ!?じゃあ今送るわ!送った!ばいばーい!」

 


私「…………」

 


Bさん「……ごめんね」
Bさん「水飲む?」
Bさん「鼻かむ?」


どうしてBさんが謝ってるんだろう、と思った。もしかしたらAさんがああいう人だというのをわかっていて、「うちの子がごめんね」みたいな感覚なのかもしれない。
わからないけど、ここまで打ちのめされてしまった私としては、余計なことを言われたり、妙に励まされたりするより、これくらいがちょうどよかった。


ちなみに代金は9割Bさんが払った。元々送別会のつもりだったのでAさんがほとんど払わないのはともかく、それにしても私が払わないのは、と思ってお金を出したが、Bさんは受け取ってくれなかった。

 

帰り道、線路しか見つめることが出来なくて、でも自分がそこにどうせ飛び込まないこともわかっていて。やっぱり甘えてるのかもしれないなと思いながら、終電で帰路についた。頭が割れそうなくらいに痛くて、気持ち悪くて、なかなか眠れなかった。

 


別に、これでパワハラだとかなんとか言うつもりはない。もう異動した人だし、顔合わせないし。
そもそも発端といえば私の覚えが悪いとかそういうところから始まったんだろう……多分。
私は社会人2ヶ月目で、きっと私が甘えてる部分が大半なんだろうとは思うけど、それでもここまで言われなければいけないものなのか、だとしたら社会人って大変だなあ……と、先行き不安な思いではいる。


オフィスの壁にはみんなの顔写真が貼ってある。見慣れた風景だったけど、今日出勤して、Aさんの写真が視界に入った瞬間、身震いして目を逸らしてしまった。人間ここまで嫌になることがあるものかと、自分でも驚いた。

 


死にたいと言いながら死なないのは、甘えなのかどうか私にはわからないけど。


死にたいと思うのは辛いからで、辛いのは生きたいからで。


本当は「助けてほしい」と言いたいところを、どうしてほしいのかが自分でもわからないから「死にたい」に変換されてしまう。これ手伝って、あれ教えて、って具体的に言えたら、「助けてほしい」で済むだろう。
明確に、助けてほしいと言えるようになったら、少し変われるかもしれない、と思った。

 


AさんからのLINEは、既読をつけずにそのまま削除した。