モンハン頂上大会2017 後半
前半はこちら↓
大会一週間前
大会一週間前からバイトやその他の予定を一切排除し、練習に専念しました。しかしそれだけ心労も増えるということで……
まず、一番不安だった最終予選0次落ち……は流石に避けられました。よかった。
しかしいざ「当選通知きたよー!」と連絡を受けると、「まじか……本当に出るのか……」と一気に鬱々としてきました。こんなに練習してきたのにね。
まだ戦うという選択をしたことに責任が持てなかったのだと思います。
そんな中、恐れていたことが起きました。
通話しながらベリオロスの練習中、初手の閃光で暴れられ、なかなか乗れず、首に吸われ、タックルが避けられず乙、3分台……などと重なり、キレてしまった。自分に。
かといって練習止めるわけにもいかないので、ボロボロ泣きながら続けていました。画面見えてない。
でも月海ちゃんは終始落ち着いていました。もともとそうなのか経験がそうさせたのかわからないけど、ギャンギャン言っている大の大人に動じるどころか慰めるくらいの余裕までありました。
なんだか情けないなあと思いつつも不安なものは不安で、こんな直前になってどうしよう……と塞ぎ込んでしまい。
不安だ不安だと喚いていたら、月海ちゃんからLINEが。
「急だけどね、明日みんなで東京行くよ!予定どうかな?」
おお、東京来るのか、用事あるのかなと思いつつ、本番直前よりも前に顔合わせて練習はしておきたいなと思っていたので、二つ返事でOK。
ニャンターズ一家が東京に来たのは他でもなく、塞ぎ込んでしまった私に会うためでした。
きっかけはやはり前日の練習。その時は霧風さんは外出中で、私は月海ちゃんと二人で練習しているつもりでした。
でもその時、Skypeの向こう側には麗羅さんがいたのです。
私が上手くいかなくて嘆いているのを、麗羅さんは黙って聞いていました。それを受けて、霧風さんも含めみんなで東京まで会いに来てくれたと。
こんな嬉しいことある?
食事後あんぬ邸へ招き入れ、初めて顔合わせて練習に。
すると、上手くいきました。完璧にできているわけではないけれど、落ち着き方が全然違うし、どうしようもないタイムになることもない。むしろ側から見たら緊張感のない二人だと思われても何も言えないくらい、楽しい練習。
お互いの3DSを交換したり、パネルセットしたり。一人では出来ないことも出来ました。私の3DS壊れ気味でごめんね!?
ニャンターズ一家のおかげでどうにかモチベーションを持ち直すことが出来た私は、新たな提案をしました。
「明日から3日間、当日を想定して朝10時にベリオロスをやろう」
練習はいつも通り夕方。それとは別で、10時にSkypeを繋ぎ、3回練習してその後本番。
一発勝負というシビアなルールで、少ない試行回数の中精度を上げるのは必要不可欠だし、時間によるコンディションにも差が出ると思ったので、何より自信になると思いました。
急な提案にも関わらず月海ちゃんは快諾してくれて、とても嬉しかったです。
そして私は、一人でもう一つ練習を始めました。
それは「毎朝5時に起きる」こと。
当日は8:30頃に国際展示場駅へ着く予定だったので、遅延なども考慮して家を出るのは1時間半前、さらに私は起きてから家を出るまでに余裕を持って2時間は欲しい……あれ?もしかして5時に起きなきゃじゃない?
夜型の人間なので、下手すると寝ないまま当日を迎えることになってもおかしくない、でもそれは避けたい、じゃあ生活リズム変えるしかない!と。あと万が一目覚ましで起きられない等があったらそれも改善しなきゃいけないなとも思いました。
5時に起きて朝ごはん食べて(急に食べるもの変えて不調が出たら嫌なので毎日同じ物)、お風呂入って、朝ごはん食べて、ソロ練して、10時に月海ちゃんとベリオロスやって、反省会した後に気分転換のお散歩がてら昼食、夕方から夜まで月海ちゃんと練習……
21〜23日はこのような生活をしていました。たった3日間ですが、結果的には意味のある行動だったかなと思います。
大会前日
24日は霧風さんの計らいにより、名古屋代表の松本一家とニャンターズ一家+私で秋葉原を巡ることに。初対面でしたが、皆さん気さくで穏やかでお育ちの良さがすごかった……
一番の目的は、神田明神!
ベリオロスに暴れてほしくないがあまりに御利益ありそうな神社等を色々と調べたところ、神田明神は勝負の神様が祀られていると知り、何より行きやすいので決定。
†圧倒的神頼み†
あ、そうだ。お願い事叶ったから御礼に行かなきゃですね。月海ちゃんが次に東京来た時でいいかな。
その後みんなでビッグサイト近くのホテルへ向かい、お部屋に集まって談笑会。
Lumiele君とその親御さん方もいらっしゃって大賑わいに!
話題の中心が「ゲームを通じた子供との関係性」だったのですが、思わず親目線になってしまって歳を感じました……
「オトン怖い〜」って言ってる月海ちゃんに「大人になると誰も何も言ってくれなくなって、それはそれで寂しいことなんだよ」とか語ってる時点でBBA感尋常じゃなかった。でも真意だから……
その後はつぇさんが食事会を開いてくださったのでお邪魔することに。初めましての方が多く、たくさんご挨拶させていただきました。あと話に入れず一人でぽやっとしてたら焼きそばを焼くという役目をくれたつぇさんに感謝しています。ちなみに代表の方々が召し上がる肉を焼くのは怖かったです。食中毒が。鉄板に押し付けてものすごく執拗に焼きました。
その後ニャンターズ一家のお部屋へお邪魔して数回練習。そして「では、明日!よろしくお願いします!」と別れの挨拶をして一人ゆりかもめに乗りました。
すると急激に鬱がきた。
何がそんなに不安なのかわからないけど、どうしようもなく不安になりました。帰り道ずっと、怖い、不安を払拭するには練習しなきゃ、でもDSが持てない、どうしよう、怖い、の無限ループ。
あまりに不安が募って、連絡をしました。
相方の月海ちゃん……ではありません。霧風さんです。
緊張しているのはきっと月海ちゃんも同じ。ここにきて寄りかかるのは(一応歳上だし)違うなと思って、でも不安で、思わず霧風さんに連絡をしました。
緊張する、寝られそうにないと伝えたら、落ち着くまで通話をしてくれました。こっそりと。
お陰でなんとか寝られそうな状態になり、目覚ましをたくさん掛けて就寝しました。
大会当日 -予選-
目覚ましより早く起床。
起きたらすぐ鏡を見るのですが、わりとコンディション良さげな顔をしていました。昨日より、いやここ一週間で一番イイ顔かもしれません。早起きに慣れてきたのもあるでしょう。
まず起きた報告LINE。お風呂入って朝ごはん食べて……と、この3日間通りのルーティン。と思ったら緊張して朝ごはん食べられなかった。コンディション良さげとは
国際展示場駅へ向かうも胃が痛い。こんなこともあろうかと常備していた胃薬を飲み、ニャンターズ+松本一家と合流し、会場へと向かいました。
私たちは事前の相談で「次卓がいいよね」と決めていたので、開場してすぐには予選に向かいませんでした。
なので会場の隅っこでベリオロスを練習していたのですが、
これがまためちゃくちゃ事故りました。
19日にボロ泣きした時と全く同じで、開幕の閃光で暴れに暴れられて乗れない。ベリオロスに文句を言わずいかなる状況でも乗るべきですし、実際落ち着いていればやや遅れても乗ることは出来ます。ただこの時の自分は落ち着けていませんでした。
Skype越しにやっていたらおそらくキレていたでしょうが、大会当日、本番直前に、会場。もはやキレることすらできず、どうしようどうしようごめんねごめんねと口から立て続けに漏らす私。
でも、やっぱり月海ちゃんは落ち着いていました。
後から知ったことですが、月海ちゃんも緊張していたのにも関わらず、緊張している私を不安にさせないために取り繕っていたのだそうです。なんて情けない大人だ……
2連続でほぼ3分台のようなタイムを出してしまい、不安に押し潰されそうになり。
でも月海ちゃんに「お姉ちゃん、もう一回やろう。落ち着けば大丈夫だから」と言われ、わかった、落ち着いてやるねと3回目。
02'15
この数字を見て、ほっとしました。緊張しているのは相変わらずだけど、さっきまでとは明らかに違う。
月海ちゃんに「いけるよ!いこう!」と言われ受付に向かうと、ちょうど初卓が埋まっていて、待機列1番目に。
初卓の人たちが終わり、案内され、席に着くと。
緊張はもちろんしていましたが、自分の中にあったわだかまりがすっと解けて、先ほどとは全く変わっていました。
昔、恩師に「緊張=集中だから、緊張すること自体は悪くない」と言われたことを思い出し、まさにこれが「程よく緊張(集中)している状態」だと、そこで初めて気づきました。
最も心配していた開幕の閃光、なんと全く動かず大人しく乗らせてくれました。
そこから二人ともミスもなく、私もきちんと頭を斬れている。この調子でいけば10秒台が出るかもしれない。
と思ったのですが、暫くしても終わりません。恐らく腹に通したい攻撃が前脚に吸われていたのだと思います。
月海ちゃんも同じく「全て上手くいったのに何故か終わらない」という感覚だったらしく二人ともやや焦りが。しかしタックルを食らった場合の対処法を事前に決めていたのが活きて、なんとか終わらせることができました。
結果は02'25'40。
「10秒台が出せれば安泰」と思っていただけに、物凄く怪しいラインでした。
終えてすぐ、ガーグァフェイスさん方が10秒台を出したと聞いて、落胆。周りの方々は大丈夫だよきっと抜けるよと言ってくださりましたが、それでも不安が拭えず、結果が出るまでの1時間半、ずっと死んだような顔をして月海ちゃんに寄りかかっていました。どこまでもダメなお姉ちゃんだな……
会場をひと通り回り、発表の時間に合わせて指定された場所へ。結果を見たいような見たくないような複雑な気持ちでいると、布を掛けられたホワイトボードが運ばれてきました。
思わず撮ってしまった。
勢いよく布が取られると
2位 狩鳥風月
思わず叫びました。すぐ振り返って、霧風さん麗羅さんと4人で抱き合いました。
しかし、泣きそうになっている私と月海ちゃんを見て、霧風さんはすぐ「まだ終わってないからな。大連続3練習してこい」と一喝。
昼食を取りながら最終予選を抜けたことをいろんな人達に報告し、決勝大会へ備えました。
大会当日 -決勝大会-
1時間後に再集合し、スタッフから説明を受けて控え室へ。もうこれだけで楽しかった!元々こういったイベントや舞台の裏側というのがとても好きなので、わくわくしていました。
控え室に着くと、各地区の予選を勝ち抜いた錚々たるメンバーが。この人達と肩を並べられるんだ、と考えたらそれもまたわくわく。
説明を受け、チームに関するアンケートに回答。月海ちゃんに過去の実績書かせようとしたら「たくさんありすぎて覚えてない」って言ってて笑った。なおきんさんの打ち上げ参加者紹介ブログに助けられました!
そして選手入場で壇上へ上がったのですが、これもやっぱり楽しかったなあ。ステージってあまり緊張しないんですよね。モンハンするってなったら流石に緊張するけど、基本は楽しくて仕方ない。わりとへらへらしてた気がします。
いよいよ女子大会決勝。自分達は後発組になり、先発組の試合はステージ袖で見ることに。
俺ティガの連続ジャンプ撃ちが凄かったです。ああいう普段のクエストで見ないような動き(ex.狩王の反復横ペチ)、すごく闘技!って感じがして好き!
先発組を見ていたら「あれ、私部屋主で貼り主だからどう考えても映るじゃん」って気づいて冷や汗が出ました。ひえ〜。なんだろう、あの書いてる途中の作文を覗かれる感じ。
先発組が終わり、後発組が壇上へ。
対面が同じく最終予選を突破したガーグァフェイスさんで、よろしくお願いします〜ベリオロスと両方やるのキツかったですよね〜でも頑張りましょう〜って談笑して、諸々の立ち回りを月海ちゃんと最終確認して。
決勝大会に臨みました。
開幕の立ち回りはきちんと出来たし、麻痺も良いタイミングで取れた。これはいけるんじゃないか、と思っていましたが、まあ被弾する。当然ですが上手くいく時というのは被弾をしていないので、体力削られてる時点で緊張しているなあと自覚。
そんな矢先、私が催眠に当たって寝てしまいました。
私「あっごめん寝た!当たりに行く起こして!」
月海「ごめん私も寝た」
^p^
二人とも寝るのは初めてでした。練習で一度もなかっただけに、あれこれどうしたらいいんだっけ?と焦りが。とりあえず段差のフチに立つも、タゲが月海ちゃんに向いて1乙。
「ごめん!」「大丈夫だよ!」というやり取りをしたけど、私が大丈夫じゃなかった。
ホロロの攻撃を食らってギリギリ耐えて起きるも混乱状態で、ガードの方向がわからずテンパり気味。そして取り返さなきゃという焦りからか、ガードレイジを使ってしまう。本当はブラキの開幕で使いたかったのに!
そのまま攻めの姿勢が災いして、私も1乙。ああ、ガードレイジ……
なんとかホロロを倒してインターバル。これ10分超えるなあと思いながら罠張ったり回復したりしていたら、月海ちゃんに「ブラキは落ち着いていこう」と言われ、そうだね、無理に取り返そうとしない方がいいね、と束の間の休憩。
そして、ブラキ登場。開幕の立ち回りはまあまあ上手くいきましたが、麻痺が入るのがやや遅かった。本当は足踏み(咆哮予備モーション)前に入れたかったのですが足踏みされてしまい、お祈りしながら突いたら麻痺。危なかった。
しかし麻痺が入ったことに安心したらジャンプ突きを一瞬忘れてしまい、焦って退がりジャンプ突き。また退がって……とやろうとしたら
ブラキの右腕に引っかかってバックステップできない!!!!!!
これも練習で一度もなかったので、ものすごく焦りました。
「えっ退がれない!」と言ったら、月海ちゃんが「じゃあ先にムーンブレイクするからお姉ちゃん乗って!」とすぐ行動。ムーンブレイクの間に納刀して退がり、ジャンプ突きを入れてなんとか乗りが成功しました。危なかった……ナイスリカバリー……本当助けられてばっかりだな……
その後は2乗り目と麻痺を狙うべくブラキと追いかけっこして(これはもうこうするしかなかった)、そうしたらどんどんみんな降壇していくし(gralisさん早すぎて、クエストクリアー!って聞いた時めちゃくちゃ笑ってた私)、
ついに1組残ってしまったあああ早く終わらせないと尺があああ(放送の尺を気にする一般人)ってなりつつも、粉塵飲みながら(また被弾してる)立ち回っていたら
月海ちゃんが突然、「もう終わるよ!」と。
正直私はブラキの削れ具合がほとんど把握できないままだったので、これは助かりました。回復をそこそこに攻撃へシフト。そこから程なくしてクエストクリア!
長くかかってごめんなさいありがとうございますと頭下げようと思いましたが、普通に足元ふらついてて無理でした。予選の時も思ったけど、緊張の震えからくる自動貧乏ゆすりみたいなの怖い……
仲良く1乙、なんか自分たちらしいなと思いました。自分たちの現状の力が、等身大に表れてる。なので少なくとも私に関しては事故ではなく、ただの練習不足だなと。
悔しいなあと思いつつも、気持ちは満たされていました。
それは「まだまだ伸び代がある」というのを、決勝大会に挑むことでより強く感じられたからかもしれません。
結果発表
再度登壇して、結果発表。
順位はお察しだけど、タイムが気になる……!
「第8位! クリアタイム09'33'90……」
遅wwwwwwwwwww
アベレージやベストタイムよりだいぶ遅くて驚く二人。そんな気はしてたけど……10分超えなくてよかったけどけど
でも、チーム名呼ばれたらどうでもよくなりました。
そして、自然とお辞儀していました。
クエストクリアまで一番時間がかかってしまった。それを皆さんに見守っていただいた。
ハンターとしてまだまだだけど、壇上に上がらせてくれてありがとうの意でした。
頂上大会を終えて
一体、どこからが「すごい」のでしょうか。
私はゲームに競技として取り組む人たちを見ながら、よくそんなことを考えていました。
大会に参加するだけなら誰でもできます。
でもゲームを競技としてやらない人からしたら、大会に出るなんてすごいと思われる。
逆にもっと素晴らしい結果を残した人からしたら、予選抜けなんてすごくないかもしれない。
しかし、今回最終予選を抜けて、私は自分自信に初めて「すごい」と言えました。
勿論まだ初心者です。使えない武器の方が多いし、カッコいい作戦だって立てられません。
でも、そこからどうにかしようと学んでここまで来られたこと、何より「やり通せたこと」がすごいと思いました。
人生を賭けた大勝負とも言える、受験。二度の受験で、私は最後まで目の色が変わりませんでした。そもそも初めからあまり上を狙っていませんでした。
そんな私が今、必死にかじりついてモンハンをしている。ほとんどやったことがない状態から壇上を目指すなんて、明らかに身の丈より上を狙っている。
でも、獲得できました。
「ゲームに一生懸命になるなんて」と思う人が多数なのはわかります。それでも私はゲームに熱を注ぐ人が大好きだし、憧れるし、その熱を通じてより多くの人と関わりたい。そしていつか自分も憧れられるような人になれるのかな、なりたいなと思っています。
最後に。
今回私がこのような結果を残せたのは、多くの支えがあったおかげです。
毎日私と一生懸命練習してくれた相方の月海ちゃん。
私を見つけてくれた霧風さん。
陰ながらサポートしてくれた麗羅さん。
勝つことの厳しさを常に教えてくれていたきらりん。
そして、「きらりんの友達」というだけの私に、構ってくださった皆様。
「きらりんの友達」という理由だけで突然出てきた私を、快く思わない人もいたと思います。その気持ちはわかりますし、その通りなので何も言えません。
今はどうでしょうか。
まだ「きらりんの友達」でしょうか。それとも「最終予選を2位で抜けた女子ハンター」でしょうか。それは人によると思います。
でも、私は胸を張って言えます。
狩鳥風月の、あんぬです。
月海ちゃんの相方です。
モンハン頂上大会2017で女子全国8位になりました。
今後とも、どうぞよろしくお願い致します。